最も苦手とする人間

 昨日は、嵯峨嵐山のドラッグストアにて、栄養ドリンクのデモ。

 朝、現場に行くと、この商品のデモの時はいつもそうであるように、メーカー
の営業がすでに到着。
 デモ場所に商品を陳列したり、プライスカードやポスターを取りつけたり、デ
モを始める準備にとりかかっていた。

 担当営業の顔を見たとたん、
「わわっ」
 と、全身が硬直。
 一見おっとりとした風貌と物腰とは裏腹に、売上には厳しい、あの人だったか
ら。
 
 春風のような笑顔の中で目だけが静止し、抑揚のない穏やかな声のトーンに、
時おり砂のざらつきが混じる。
 私が一番苦手とするタイプだ。

 今までの人生体験を振り返ると、どうもこういうキャラと合わない。
 その見事なまでの感情の抑制と理性を先行させた立ち素振る舞いに、
「本心はどこにあるのかね? 人当たりがいいから誰にでも好かれるだろうけれ
ど、逆にそこが不気味で、ココロから信頼する気にならないんだよなあ」
 と、感じてしまうのだ。

 こういうタイプと仕事で出会った場合、とにかくビジネスライクに徹するに
限る。
 雑談の一つも、決してしないこと。
 カネ、カネと割り切るのだ。

 100%仕事のことのみを考えて行動したせいか、昨日の売上は上々。

 想うに、ついダレて、マンネリ化して、なあなあになりがちな仕事にカツを
いれるためにも、自分が最も苦手とする人間は、時には目の前に現れてくれな
いといけないのかも知れない。