昨日も派遣会社Bに無理を言い、14日の冷凍グラタンのデモをまわしてもらった。
四月に入っている仕事は、後は三日の鶏肉のソテーのみ。
こんな時期に別の派遣会社に登録しても仕事がないことは分かり切っている。
他の仕事を探そうにも、同じ理由でないだろう。
その点、娘は固いよね。公務員(教員)だから。
姪も景気に左右されない薬剤師(もっとも薬大が増え過ぎて薬剤師は今後はあまってくる
らしい)。
従兄弟も、いつの世にも必要とされる葬儀屋さん。
葬儀屋と言えば、デモンストレーターになる前、葬儀会社の営業見習いで採用されたこと
がある。
でも、あれは出来ない。絶対に出来ないとわかった。
「おじいちゃんも百まで生きて大往生だわなあ」
という死に方は、極めてまれ。大半は、苦しんで、この世に未練たらたらで人は逝き、残
された
者たちも悲しみに打ちひしがれる。
そういう人たちに
「棺はどのタイプにさせていただきましょう?」
「花輪のサイズは?」
などと淡々とビジネスの話を、しかも会社にしっかり利益をもたらすように進めないとい
けないのだ。意地悪い見方をするなら、遺族から一円でも多く金を出させないといけない。
私には無理だ。
我が子を亡くした親御さんや新婚まもないカップルの片割れがお客さんなら、いっしょに
泣いてしまいそう。
もっとも、葬儀屋は絶対に必要な職業。
従兄弟は、成人した三人の息子と共に、日々お別れのお手伝いをさせてもらっている。
仕事がない時は普段はできないことをしようか。
柴田錬三郎の本がどこかに転がっていた。
久方ぶりにページをめくってみるとしよう。