贅沢とは、考えないこと

 七月三十日は、コープ宇治神明店で、おなじみ、みつせ鶏のデモ。
 既に評価の定まった商品ながら、すぐ隣に別産地の鶏肉がみつせの半額以下で売られている
のは、きついわ。
 このご時世である。育ち盛りの子どもが複数いたり年金だけで暮らしている家庭では、やは
り「質」より「量」を優先させるわなあ。

 昼食後、店内の冷気でがちがちになった身体をほぐさんと、店外に出た。
 買い求めたかき氷を片手に、駐車場へ。もちろんかんかん照りだが、寒い中にずっといたの
で、かえってこの熱気が春の日だまりのように感じられるのだ。
 そこへ、カリカリと歯ごたえもよいかき氷。98円らしい味が、どこかほっとさせる。

 ふっと風が吹く。
 取り囲む風景がほんの一瞬のあいだ揺れ、かすかなざわめきを残して、去る。
 目の前には、何ということのない風景。
 口の中には、かき氷のチープな甘さ。

 いいね。こういう感じ。
 ゆったりと流れる時間に、ただ感覚をまかせ、頭を空っぽにしていたからこそ味わえる。

 考えないこと。
 ほんものの贅沢は、これに尽きるかも知れない。

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