既に評価の定まった商品ながら、すぐ隣に別産地の鶏肉がみつせの半額以下で売られている
のは、きついわ。
このご時世である。育ち盛りの子どもが複数いたり年金だけで暮らしている家庭では、やは
り「質」より「量」を優先させるわなあ。
昼食後、店内の冷気でがちがちになった身体をほぐさんと、店外に出た。
買い求めたかき氷を片手に、駐車場へ。もちろんかんかん照りだが、寒い中にずっといたの
で、かえってこの熱気が春の日だまりのように感じられるのだ。
そこへ、カリカリと歯ごたえもよいかき氷。98円らしい味が、どこかほっとさせる。
ふっと風が吹く。
取り囲む風景がほんの一瞬のあいだ揺れ、かすかなざわめきを残して、去る。
目の前には、何ということのない風景。
口の中には、かき氷のチープな甘さ。
いいね。こういう感じ。
ゆったりと流れる時間に、ただ感覚をまかせ、頭を空っぽにしていたからこそ味わえる。
考えないこと。
ほんものの贅沢は、これに尽きるかも知れない。