シンプル鍋は調味料の味を引き立て、家計や時間にもやさしい

当日、現場に着いてみれば、「ありゃりゃ販売商品がない」(店舗側がその商品の発注を忘れているケースもあれば、天候などの事情で入荷がされなかったケースもある)とか「ウチ(店舗)がメーカーから売れと聞いているのは、それやないで」とか言われ、急きょデモンストレーションのメニューが変更になることは、よくある。


先月に行った大阪府内の某店での仕事もそのクチだった。




当日の担当商品はデビューしたばかりのポン酢。


デモンストレーションメニューは豆苗を使った鍋だったが、豆苗の在庫が少なく午後からの入荷も期待できないとの店舗側の事情から、白菜を中心食材とした鍋を実施することになったのだ。




白菜とネギと豚肉と人参(人参は彩の意味で加えることに)。この4種類だけのシンプル鍋。


私がメニュー変更を連絡した派遣先に提案したのが、これだった。


理由は、試食を早く提供出来るから。




鍋のデモを担当したことがある方なら痛切にわかっていただけると思う。


鍋つゆのデモを発注する一部のメーカーの中には、驚くほどたくさんの具材を鍋に入れるよう指示するところもあるけれど、これって、一面ではメーカーの店舗側に対する「ご機嫌とり」(過去とは違い、現在では、メーカーより店舗の方が立場が強い。少しでも試食に自店の商品を使ってくれたら喜ぶ)であり、そのあおりをマトモをくらうのが、現場で実際に働く私たち。


鍋は鍋でも、家庭で食べるのと試食用のとでは、違う。


試食用のは小さく切らないといけないため、具材の種類が多ければ、試食を提供するまでに具材の種類ぶん時間もかかる。


と言うことは、販売時間が少なくなることであり、当然ながら売上数にも関係してくる。




くだんの理由から、全くこちら側の都合で開始したシンプル鍋なのに、、、おお、蓋を開けてみれば、お客様からのこんなありがたい声が!


「ポン酢の味がよくわかる」


「いろいろと、ゴッチャラゴッチャラ具を入れなくても、台所に転がっているものだけで、こんなにも美味しい鍋が出来るんや」


「だから、早く作れるし、野菜が高い今、お金も使わずにすむ」。




結果は、まだまだ知名度が低い新商品なのに、店舗側も驚くほどの売上。




店舗側からは相応の評価をいただいたが、私自身は、それをそっくりお客様に返したかった。


本当、お客様が教えて下さったのだ。




シンプル鍋。お試しあれ。


それは、調味料の味を引き立てるばかりか、時間や家計の大いなる節約ともなる。