老いて働くってみじめなの?

以前、御年84歳の現役デモンストレーターに会った話を書いた。
私など、単純に「すごい」と感じるのだけれど、その後いろいろな人にこの話題を振ったところ、必ずしも肯定的にとらえる意見の持ち主ばかりではないことがわかった。
すなわち、「その年になってまで働かないといけないなんて、かわいそう」と言うのである。

ん? そお?
老いて働くって、みじめなの?

念のため。
彼女は、私が聞いた限りでは「働かないといけない」状況ではないよ。
デモンストレーターになる前は、契約をまとめれば高額のインセンティブが入る仕事についており、年金もそれに似合ったもの(本人は大した額ではないと謙遜しているが)。
ただ、本人の言葉を借りれば、
「定年後は、お稽古ごともいい、ボランティアもいい。私は否定しない。でも、私はそれでは満足しない。私自身は、自分がやったことにはギャラを伴うこと、すなわち仕事をしていないとダメ」。

死ぬまで地を這いずり回って働かないといけない我が事情からも、この言葉に激しく同意したところ、あるネット知人から、「あなたは貧しい人」との評価をいただいた。

はあ、どう思われても結構ですが(何故なら人は人のことはどうとも言えるから)、これだけは確か。
「私は、あと10年は頑張りたい。90歳半ばになってもデモンストレーターでいたい」
と語った彼女を、私は、心より応援する。

家事や育児も含め、働くことって、尊いことよ。