「お客様は神様です」と「おもてなし」に泣く人々

覚えておられる方はいるだろうか、JR新今宮駅で電車を待っていた数人が、そのとき同じホームにいた男に背中を押されて線路に落とされた事件。
男は頭のオカシイ人だった。

幸い惨事にはならず、男もすぐに捕まったが、ぶちまければ、事件が報道された直後に私たちデモンストレーターの一部ではこういう会話がかわされていた。
「もし突き落とされたのが駅員だったら、鉄道会社は心のどこかで、被害を受けたのがお客さんでなくてよかったと思うたんとちゃうか」。
「ああ、それは考えられる。私らかて、仮に店で仕事中に火災が発生して火傷でも負うてみ。店もメーカーも派遣会社もお客さんでなくてよかったと、本音では胸をなで下ろすはず」
「サービス業はお客さん第一やもんね」
「うん。そこんところは覚悟して、ある程度までは割り切らんと、サービス業はつとまらんところがある」。

お客さま第一。これはサービス業を職業(=金銭的報酬を受ける)として選んだ以上は基本中の基本事項で、だからこそ、かのセウル号事件で乗客を放ったらかして従業員が我先に逃げ出した行為は非難されても仕方がないと、同じサービス業者として感じるのだが、あまりに行き過ぎると、息苦しくなってくる時がある。

それでも!
この国では、あくまで「お客様は神様」であり「おもてなし」最優先がアタリマエ。
そこには、企業間の過当競争があると同時に、「カネを落としてやっているんだから」との、一部消費者の思い上がりがある。
これに泣かされ、心身に強いストレスを抱えている人は多いのではないか。

写真は観覧車から眺めた大阪南部の海岸。
たまには、高いところから美景を眺め、癒されましょう!

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