塩は本当に身体に悪いのか?

先週は、トマトジュース二種類のデモが続いていた。お客様に塩分を含まない無塩タイプと少し低塩タイプを飲み比べてもらい、どちらが飲みたいかを答えてもらった上で、あらためて商品をPRするのだ。

我がデモ体験では、お客様の風味上の好みは、65パーセント対35パーセントの割で、無塩タイプに軍配が上がる。
では、購入もその率かと言うと、そんなことはない。こちらは、90パーセント対10パーセントと、圧倒的に無塩タイプ。
「少しくらい塩気があった方が美味しいと感じるんだけれど、塩分って身体に悪いから、無塩にしておくわ」
というわけだ。
塩はすっかり悪者にされているのだね。

ここで、素直に疑問を発する人もおられるのではないか。
「塩は血圧を上げるとかむくみの原因になるとか、さんざん悪く言われるけれど、本当にそうなの? だって、食べ物の腐敗防止とか神聖な場所の清めにも塩が使われるじゃない。もともとは、そんなに困ったものでもないんじゃないの?」
その通り!
なのに、いつのまにか、塩は我々の意識の上で健康を蝕む悪魔的な存在になってしまった。

塩の不運は、戦後、いわゆる「自然塩」と、そこから人工的にミネラルを取ってナトリウムだけになってしまった「精製塩」が混同されてしまったことに始まるかな。
自然塩は、海水塩でも岩塩でも舐めると仄かな甘味すらあり、本当に味が奥深い。単にしょっぱいだけの精製塩とは比べものにならない。
正直、穀物が主体の食生活を送る日本人にはなくてはならない食材の一つのはず。減塩などする必要があるのかと、疑問を呈してしまう。

皆さん、塩を見直しましょう!
本物の塩は、もっとどしどし利用したいものである。