家庭も、吉野家と同じく「うまい、速い、安い」。

今日の試食メニューのややこしかったこと! 事前に予行演習はしていっているので(難しいと感じられる試食メニューは必ず家で何度か練習し、コツを呑み込んでから、現場に入る)、自分的にはまあまあスムーズに進行したと自負しているが、それでも!
そもそも、作るのに時間も手間も材料もかかり過ぎるメニューってお客様に浸透しないし、商品イメージも悪くなるのではないかな。

「うまい・速い・安い」とは、牛丼の吉野家の基本コンセプトだが、実は、これは家庭料理にもすっぽり当てはまる。
たとえフチが欠けた器に無造作にドカッと盛られていても美味しく、すぐに作れて、財布にも優しい。家庭料理とはこんなもの。
何種類ものスパイスを使いこなしたり、細かい作業が必要だったり、凝った味付けは、料理のプロにまかせておけばよい。

だって、考えてごらん。
家庭料理って毎日のこと。つまり、「日常」よ。
日常なら、料理以外にもやらねばならぬこと多過ぎの者に合わせ、「うまい・速い・安い」でなければならない。
なのに、、、。

こんなメニュー、誰が考えたのかしら?

今日の現場で一緒になったベテラン同業者によれば、
「メーカーの栄養士やがな」
と言う。

「あの子ら、大学で栄養の専門を学んで資格を取っていても、生活の場で料理を作ってきたわけではないから、どうしても考えるメニューは、一般家庭の食事情とは離れてしまう、、、。あんたも主婦なら、わかるやろ? 仕事を終えて疲れて帰った身で、仕事はしていなくても幼子を数人かかえて1日振り回された身で、手間暇かけて料理なんか出来へんよ」。

そうなんだよね。ここいらの実情!
仮に栄養士がわかっていたとしても、その栄養士にメニュー作成を依頼する販売促進プランナーは、男性か、男性化したキャリアウーマンが多い。
ここなんだよね、問題は。