寿司飯の固さ

 月曜日。ちらし寿司のデモンストレーションのため、長浜に向かった。

 いつも通りの固さでご飯を炊く。
 寿司飯の場合、やや固めに炊くのがよいとされているけれど、以前にそうした
ら、試食した子どもたちやその母親から
「ご飯が固い」
 と言われた。

 時代はソフト志向。それに、尖ったアゴの若い世代は、固いものが苦手。だ
から、お好み焼きだって、最近はあんなに柔らかいのだ(昔のお好み焼きはもっ
と固かった)。
 寿司も、
「寿司飯は固いもんですっ。その方が美味しいんですっ」
 とムキになるより、
「あ、すみません。そうですね。少し固いですよね」
 と、合わせた方が、お客様に与える印象度もアップ。
 以後、普通の固さで炊くことにした。

 年輩のお客様には
「ご飯が柔らかい」
 と時々言われるけれど、そんな時は
「はあ。お子様が多いので、敢えて柔らかく炊いております。すみません」
 と答えることにしている。
 たいがいは
「せやねえ。今日日の子どもは柔らかくないと食べへんもんな」
 と同意してもらえるのが、現状である。