明日は全国展開している大手ホームセンター奈良店にて、ペットフード
を担当。
心なしか、気が重い。
なぜかって?
決まっているじゃない。
販売が難しいからですよ。
通常の試食販売であれば、どうこう言っても人間を対象としているから、
担当商品が、例えばクセのある黒酢や青汁、メタボ対策を主眼においた高
価な健康茶であっても、通りがかったお客様に試してもらうことが出来る。
その結果、数はどうあれ、一応の売上には結びつく。
ペットフードはそんなわけにはいかない。最近はホームセンターに限ら
ずペット同伴で店にやってくるお客様も増えているが、そういうところに
お供するワンちゃん(まれにネコちゃん)は押し並べてお行儀がよく、決め
られた時間以外の決められた場所以外での飲食など、間違ってもしない。
つまり、肝心要のお犬様お猫様に味見をしていただくことが不可能なのだ。
といって、オーナー(飼い主)である人間に試食をすすめることも、まず
無理。
なかには、
「ウチの子にまずいものを食べさせるわけにはいかない」
と、食してみるオーナーさんもいるらしいけれど。
残された道は一つ。
口で商品を説明し、説得力で販売するのである。
私は、この説得型の販売が苦手なんだよね。
白状してしまうが、そのジャンルにおける、ある程度の同一価格商品は、
似たり寄ったりだと思っている。
ペットフードに例をとれば、「サ○エンス」と「愛犬○気」なら、素材
のクォリティからして違うだろう。価格も大きく差がある。
でも、同一価格帯の「サ○エンス」と「ファーストチ○イス」だったら、
果たして?
となると、けっきょく接客したマネキンさんがお客様に与える印象で、
売上高が異なってくるのではないかしら。
こう思っているから、つい食品の時と同じ売り方をしてしまう。
「あんたの声を聞いて笑顔をみていたら、ホンマに美味しいって気がして
きた」
とか、
「いっしょうけんめい商売してはんのに、ここで食い逃げされたら、あん
たも会社に帰られへんやろ。人助けと思って買うたるわ」
とか、私の場合はこのような「情的な」理由でお買い上げ下さるお客様
が少なくない。
でも、ペットでは、これはダメなのよねー。
理詰めで迫り、理詰めで受け入れてもらえないと、次につながらない。
現に、昨年初冬に某ホームセンターで会った「ファーストチ○イス」の
営業マン。
無愛想で、ぼそぼそと喋る人なのに、筋道立てた論理的な説明は、お客
様に大好評。
商品は飛ぶように売れていた。
やっぱり、「情」ではなく「理」なのだ。
今シーズンを最後に、ペットフードの販売からは手を引こうと思ってい
る。
私の能力の限界を超えた仕事だわ、これは。