ホット・バタード・ラム

 休日の今日。
 朝からじゃんじゃん仕事の連絡事が相継ぎ、夫の昼食を作ったり、洗濯をしていると、あっという間にこんな時間。
 風邪でも休めないよー。

 一段落した今。
 ホット・バタード・ラムを片手に本当に休もう。

 このホット・バタード・ラム。
 日本で言うなら卵酒。
 ラムが日常的に飲まれている中南米では風邪を引いた時に飲まれているらしい。

 何の。
 ホットラムに砂糖とバターを入れるだけ。

 ラムと言えば、プレスリーの映画で知られる「ブルー・ハワイ」をそのままとったカクテルで知られるけれど、こういうカクテルもある。

 三十年近く前、
「不器用な私はやっぱりデザイン事務所なんか辞めるべきや。他の道を探そう」
 と、バーテンダーを志し、カクテルスクールに通った私。
 その時の講義ノートは今も持っている。

 ホット・バタード・ラムは、先生が、余興で教えてくれた。

 皮肉にもカクテルスクールに行き始めたら、本業もうまくいきはじめた。
 
 どうも、人間には、追いつめられて「これしかない」という状況になると発奮するタイプと、プレッシャーで変に力が入りやることなすことチグハグになるタイプと、二通りいるようだが、私は明らかに
後者である。

 ともあれ、風邪をひいた時にこういうカクテルを思い出し、飲めるなんて、人生、何事も無駄ではないと思う。