本社と現場の管理

 昨日はジャスコ西大津店で、旭松「国産納豆中粒」のデモ。
 メニューは納豆手巻き寿司。

 と言っても、ここのメーカーの場合は、ごはんを使わない。
 納豆と、ツナやカニかま、マヨネーズだけを具にし、ノリで巻くのだ。
 当然、試食品サイズのミニチュア版ほ作るのは多大な時間がかかり、とても仕事にはならないから、
私は、いつも小さく四角形に切ったノリをポンポンと紙皿の上に並べ、その上に一口大の納豆を置き、
ツナやカニかま、マヨネーズをトッピングし、お客様てづから巻いてもらって試食してもらっている。

 このことを、店内にある試食調理室でいっしょになったベテランの同業者に話したら
「そんで、ええねん。メーカーの企画のもんは、机の上だけでしか試食販売の仕事をとらえへん。や
から、よう無理なこと、言うてくる。物事はマニュアル通りにいかないことの方が多いのに、そのへ
んのこともわからへんねん」。

 本社管理部と現場との乖離。
 これは、しかし、試食販売の世界だけの現象ではない。

 親友がパート勤めをしている飲食店にも、時おり本社から人事管理の係がやってくるとか。
「いろいろとチェックをしてまわるんやけれどね。はっきり言って、人がやったことを見てまわっ
て、ああやこうや指摘するのは、簡単やよ。自分でも、一回、現場で接客してみたら、ええねん。
そしたら、私たちに対する態度も変わってくると思う。何たって、会社の金を稼いでいるのは、我々
現場の人間や」

 金を稼いでいるのは現場。
 それを管理するのが本社。
 どちらにもそれなりのしんどさがある。

 一日体験ではないが、一度その日限定の職場チェンジがあってもよい。