タカノフーズとの合同企画ものだった。
私は旭松から依頼を受けたので試食は旭松社のぶんしか使わなかったが、売上高は、なぜか、全
く試食を出さず口頭のみでの推奨販売だったタカノフーズ社と互角。
このタカノフーズが送りこんだ販促物のDVDが、その日、店内に響き渡った。
これは、納豆エンジェルなるにわかギャルグループが、秋元康作詞の納豆讃歌(?)を、
「納豆大好き。納豆なしで生きていけない。大切なものはあなたと納豆」
などと歌う、楽しい内容。
それが、お客さんの一部に
「歌っている女の子の甲高い声がやかましい」
と言われてしまった。
確かに若い女の子の声はキイが高い。小鳥みたい。
一人だけならまだしも、束になると「耳障り」ととらえる人も。
仕事仲間にも、モー娘。が大嫌いと公言してはばからない人がいる。
「何であんなに声がキャーコラキャーコラしとんやろ? 聴いているとイライラしてくる」
ふうん。
私など、ハードロックやヘヴィメタルバンドの男の子がシャウトする声の方がよほどキンキンし
ていてウルサイと感じるものだから、彼女の指摘に首を傾げるのだけれど、まあ、個人の好みもあ
るし。
その日の帰路の電車内。
意識して、若い女の子の会話に耳を傾けてみた。
ああ!
あれが仮に十分以上続くと、疲れている時はカンにさわるだろうなあと思った。
キャッ、キャッ、キャッ。
キャー、キャー、キャー。
絶えず口が動く。
キャハハ、キャハハ、キャハハハハ。
どうでもいいようなことで黄色い笑い声をあげ、ごていねいに、集団で二度笑いをする。
そもそも、なぜあんなにトーンを上げて話すの?
二十五歳になったわが娘も、あんな話し方をしているのかしら?
もっとも甲高い声は若い女の子に限ったことではない。
おばさんと呼ばれる連中のおしゃべりもテンションが高い。
こちらは、キャッがギャッになり、キャーがギャーになるけれど。
要するに、女はおしゃべりなのだ。