繰り返す。
先週は映画を観続けた。
完全に鬱状態で、何事にも今ひとつ集中できないから、自由な時間はあるのに気晴らしができない。
外に出る気にもならない。
映画鑑賞なら、基本的に受身のインドア行為だから、何とかなったわけだ。
観たのは、1950年から70年代のアメリカ映画。特に70年代もの(伝説の映画雑誌「ロードショー」や「スクリーン」が全盛だった頃ね)。
こう語った知人がいた。
「僕はアメリカ映画は好きじゃないな。すぐにドンドンパチパチやるか、オドロオドロで画面に人首や血しぶきが飛ぶような作品が多いから」
確かに。
それでも、心が重い時は、逆にその単純さに救われる面もある。
さて、今回、今さらながら知った。
ジェームス・ディーン、エルヴィス・プレスリー、アンソニー・パーキンス、ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード、スティーブ・マックイーン、、、などなど主役級はもちろん、道ゆくマッチョな兄ちゃんやショボいおっさん、太鼓腹を突き出したじいさんを演じる脇役ですら、皆、それなりにサマになっている。
カッコいいのだ。
「ジーンズって、座高の位置が高い狩猟民族のもんなんやなあ」。
あらためて実感。
否! それだけではないはず。
骨格や体型の問題だけなら、例えばアロン・ドロンのハリウッド進出挫折はどう説明するのかしら?
ジーンズはもとはカウボーイの労働着。彼らの仕事の実情に合わせ、シルエットも少しずつ変わっていった。
すなわち、ジーンズは長い生活の歴史に培われた「文化」でもある。
となれば、その文化の背景が全くない人が身につけても、うわべだけの装いになるわなあ、、、。
時は流れ、現在ではジーンズはファッション界に立派に定番地を得ている。
カウボーイ文化の背景を持たなくてもジーンズが似合う人は、各地にたくさん。
それがここへきて、わけても若者の間にジーンズ離れが進行しているのは、皮肉な現象。
まあ、しかし、こうしていろいろな発見が出来るのも、映画を観る楽しみのうちだな。