脳のパターン


今回、1950年代から1970年代のアメリカ映画を観続けて、あらためてはっきりしたことがもう一つある。
物事を記憶する際に動く、我が脳の回路パターン。

もともと現象を「音」でとらえるタイプなんだろう。
小学生の時から、何度かまわりの人に言われたことがある。
「あなたって、音を独特のコトバにしてしまうのね」。

記憶も「音」から入る。
学芸会のセリフは言うに及ばず、九九、歌詞、歴史の年号、英語の
文型、スペイン語の格変化、、、すべて口に出し、節をつけ、それを繰り返すことで覚えた(だから、それが出来ない、例えば漢字の書き取りなどはひどく苦手だった)。

同じ語句を何度も何度も言っていると、そこにリズムが生まれる。
リズムが一定のカタチにかたまってくると、脳裏に「像」が浮かんでくる。
まるで、カメラで写し取ったかのような像。鮮明であればあるほど、記憶は確か。

「さざんが九」「さんし十二」「さんご十五」、、、。
音と共に、脳裏に「3×3=9」「3×4=12」「3×5=15」と、像が現れる。

「アイ・マイ・ミー・マイン」
「ユー・ユア・ユー・ユアーズ」、、、。
歌うように口ずさむはしから、"I my me mine" 
"you your you yours"と、像が脳裏に流れる。

どちらも、厳密には文字ではない。像。

たまたま、今回観た映画は、押し並べてストーリーは単純にしてセリフも短めのもの。
そのせいか、スクリーン上の俳優や女優が喋る言葉が、像として
"You want to drive?" "l wish I could have seen"などと、わが脳裏にすっと流れ、消える。
その感触。学生時代の試験勉強の暗記を思い出させ、大いに懐かしがらせてもらった。

プラス、人間の脳って、やっぱり若い頃に出来上がってしまうものかも。
変えられるのは、その活用の仕方だよなあ、、、。