風邪


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年末に組んだ無理なスケジュールがたたったのかな? 風邪をひいてしまい、それを封じ込めて現場に立った日々の辛かったこと。
「交代の人はいないの?」
と、心配して尋ねてくれる人もいたが、小売業の宿命、年末は年内で一番忙しい時期。どの店舗も、正直、猫どころか鳥や金魚の手も借りたいはずだ。
交代人員なんて、とてもとても。

話は四十年近く前に遡る。
学生だった私は、地元ではそこそこ名前が知られた中堅どころのスーパーでアルバイトをしていた。
暮れもおしせまったある日、そのスーパーの本店に勤める某氏が突然に解雇されたことを知った。
何でも、インフルエンザにかかってしまった某氏、当然ながら職場を欠勤したのだけれど、そのことが社長の逆鱗に触れたのだ。
「こんな時に病気とは! 気がたるんでいる証拠。仕事をする気がないんや。そんなヤツはウチにはいらん!」。

ひどい言葉。誰も望んで病気をするわけではないし、そこで「気がたるんでいる」などと精神論を持ち出すのも論外。
現在なら、出るところに出れば間違いなく社長が敗訴するであろう。

当時はそうではなかった。
「某氏は確かに気の毒。でも、社長の言うこともあたっている。気合いが入っていたら、インフルエンザの菌が入ってきても根性で跳ねのけるはずや」。
こういう風潮が一般的だった。
だから、某氏も不当な解雇通告に応じたのだろう。

「いやぁ、、、平成の今でも、表に出ないところではあるんとちゃいまっか。全国にチェーン展開している大手ならともかく、社長が一代で築いてその家族が役員をしているような地域の小規模なスーパーは、私がみてきた限り、大半はブラック。そんなところでは、皆さん、熱が出てもクスリ飲んで現場に立っています。人がいないさかい、一人でも休むと全体に迷惑をかけてしまいますからな」。
私から顛末を聞いてこう返したのは、つい先日、一緒にデモンストレーションした某中堅企業の営業さん。

ううむ、、、。

写真は、最も苦しく、時に意識が混濁しながらも、それこそ「根性」で現場をつとめた、大阪市内の某店の近くのラーメン屋で食べた中華ラーメン大盛り。
解熱剤の副作用で胃をやられていたため、麺は食べられずにほとんど残したものの、醤油ベースのあっさりスープは、冷えきった我が身体を優しく温めてくれたのだ。