前回の投稿でチラリと触れた。
「デモンストレーターにも屋外業務はある」
と。
そう、あるのだ。
頻繁ではないが。
その大半は、地域密着型の小ぶりな店舗。
開店およそ30分前にそこへたどり着き、担当者に挨拶を済ませるのと並行して、
「あの、どこでデモさせていただいたらよろしいでしようか?」
と尋ねるや、
「ううむ? ウチんとこは狭いさかいになあ、、、お客さんが買物するじゃまになったらあかんし、、、あ、せや! 店頭(つまり屋外)でやって貰お」
となる。
このパターンが多い。
店側は、まるで思いつきであるかのように簡単に屋外デモを指示するが、これがいかに過酷であることか。
寒い時期も辛いが、暑い時期も同じ。
事実、私は、数年前の6月半ばに某ドラッグストアの店頭で仕事をしていたところ、午後3時過ぎに突如めまいを生じ、それを踏ん張って仕事を続けてきたら気分が悪くなり、ほどなく強烈な吐き気が襲ってきて止まらなくなったことがある。
「ちょっと! あんた、大丈夫?」
たまたま品出しでそこを通りかかったパートさんの一人が私の症状に気づき、店の休憩室に連れて行ってくれた。
「ここで、しばらく休んでいなさい」。
屋外業務の実態を配慮してくれるメーカーやエージェンシーも存在しないわけではなく、「現場に行ってみたらコレコレの理由で屋外でデモしました」との一文を報告書に書けば、相応の手当を支給してくれるところもある。
それを差し引いても、屋外で働くのは楽ではないわなあ。
辛さが身にしみている私は、現場の駐車場などに立つ警備員の方々を心より尊敬している。
皆さん。
それが仕事でしょと言ってしまえば本当にそれまでながら、酷暑であろうと酷寒であろうと、誠心誠意、職務をまっとうしている警備の方々に、何かの機会に「ありがとう」と言ってあげて。
それだけでいい。
私たちだって、拷問と称しても大げさではないくらいの環境で仕事をしている時、お客さんから「おねえさん(おばちゃん)、ご苦労様。がんばってね」と声をかけられたら、それだけで疲れが吹っ飛んで、気持ちを持ち直すのだから。