傘のお話

レイニーシーズン。
傘の出番である。

この傘。
今までどれだけの傘を、その日その日の現場に置き忘れてきたのだろうか。
100本。
いや。
恐らくは、それをはるかに上回る。

負債返済に追われていた頃、どんなに喉が乾いていても、ただの100円少しの金も惜しくて我慢していた。
あの時にかぞえきれないほど呑み込んだ唾液の数と同じくらい、いや、それ以上の数をと振り返ると、忸怩たる思いがある。

何度も傘を置き忘れるうち、「どうせ」との気持ちが高まり、ビニール傘しか使わなくなったのだけれど、それが悪かった?

2年前から、コンビニで急きょ買った折り畳み傘を使用。
今のところ、無くすることもなく、よく役目を果たしてくれている。