不器用ものの嘆き

先の記事で
「料理に興味はあるが包丁がうまく使えないので、台所仕事が億劫」
とおっしゃるお客様の話を書いた。
あれは、実は私にも当てはまる。

料理自体は、どちらかと言えば好きな方だと思う。
中学時代、文通していたマサチューセッツの女の子に、
「先週に読んだ小説の赤毛のアンにパイというお菓子が出てきました。私は今までに一度もそれを食べたことがありません。何故なら、私が住む村の店に売っていないからです」
と書き送ったところ、彼女、
「パイは我が家ではよく作ります。あなたも作ってみたら?」
と手紙に同封してくれたレシピを見て、曲がりなりにも試してみたくらいだもの。
我が家には、オーブンもレンジもなかったけれどね。

パイのさっくり感にはほど遠いものの、バター風味が効いたそこそこの味のお菓子(?)は出来た。
ただ、見た目がねえ!

そう。不器用な私は、包丁使いが下手なだけでなく、料理にビジュアルを要する部門でも、決定的にアカンタレなのだ。

でも、まあ、最初は誰でもそんなもん。
技術より前に、
「料理って楽しい」
こう感じさせることか大事。
その楽しさが積もり積もって、
「どうせなら、少しでも美味しく食べたい。そのためには、どうしたら、、、」
と、意識がこうなってきた段階で、「技術」を取り上げてもよかろう。

なお、私のように折鶴をうまく折ることが出来ないほど不器用な人間でも、youtubeの料理動画を観て「上手に切れる」コツを知り、練習を重ねたら包丁一本で何とかなるレベルにいったのだけれど、なかには
「そんなん、嫌だよ。練習なんて」
とおっしゃる方や、機能障害その他で、どうしても包丁が無理な方もいると思う。
そういう方は、別にかまわない。スライサーやミルを使いましょうよ。
私も、仕事では時々つかうよ。
私の下手な包丁では間に合わないなあという時。

「そんなん使ったら味が落ちる」
と目くじらを立てる方。
みんながみんなプロの料理人になるんじゃないんだから、そこは大目にみてよ。
それより、
「料理って楽しいなあ。私が作ったものでみんなが笑顔になる。嬉しいなあ」
と、こう心より感じさせてあげることに重きを置いてよ。

少なくとも、私が中学生高校生だった頃の家庭科教育では、この部分が欠けていたよね。
技術。一にも二にも技術。

なお、私は編み物や刺繍も大好き。
でも、不器用ゆえ、、、。
ああ、不器用って、やはり不利だなあ。