繰り返すが、コロナ禍で仕事が激減したこともあって読書をする時間が出来、若い頃に読んだ、俗に名作とされる本を再読、再々読、本によっては再々々読したこと、以前の記事に書いた。
ページをめくる過程で、物語が進行する舞台の描写の巧みさに驚いた。
舞台。それは、寒風吹き荒ぶ荒野であったり、豪華絢爛なお屋敷の中であったり、ゴミゴミとした町の裏通りであったり、澱んだ川の流れる橋のたもとであったり、荷や人を積んだ渡舟が掛け声も勇ましく行き交う川上であったり、青草茂る田の畔であったりするのだが、どの舞台も、まるで現時点で実際に目の前にあるのではないかと想わせられるほど鮮やかに脳裏に現されるのだ。
まあ、写真や動画が普及していなかった時代は、情景を浮かび上がらせるためには書き手の筆力に頼る他はなかったので書き手も自然と「筆が立つ」ようになったのだろうけれど、、、それを考慮に入れてもお見事。
だったら、その素晴らしい描写の力を借り、これまでにはない旅行プランを立てさせていただこうではないか。
既に、「赤毛のアン」の舞台であるプリンス・エドワード島や、シャーロック・ホームズが活躍するロンドン、ブロンテ姉妹の小説の背景を成すヨークシャー州、「罪と罰」のペテルブルク、、、などなどが、元の小説に合わせた独自の観光ルートを開設している。
とは言え、これらは第三者が設けたもの。素人の私たちは、もっとまめに探してオリジナルな文学観光ルートを作り、ご当地ならではの食材や伝統行事も取り入れた、ユニークな自分だけの観光プランを立てることが出来るはずだ。
ある程度プランを立てたら、まずは、その地を紹介するサイトや個人ブログやストリート・ビューなどを利用して仮想旅行。
その体験は、コロナ収束後に実際に旅に出た時、きっと役立つ。