オマケは商品サンプルばかりとは限らない。
一時、ヤクルトがよくやっていた。ディズニーなど、キャラクターもののグッズであることもある。
あれは、よく効く。幼児を持つお母さんにはもとより、孫がかわいくて仕方のないお年寄りにも。
「さっきヤクルトといっしょにもろうたプーさんのカップ。孫が大喜びでなあ。あさってには、東京に
転勤しとる次男とこの娘も来るさかい、やろうと思うんや」
と、わざわざそれだけのために再び店を訪れ、ヤクルトをもう1セット買って行かれるお年寄りも決
して珍しくはなかった。
そう!
じりじりと焼ける炎暑の中、関節その他の痛みをこらえ、片足をひきずってでも、プーさんのカップ
を手にした孫の笑顔がみたく、また店に向かう。
孫とは、かくの如き存在なのである。
ただ、オマケは諸刃の剣。
オマケ欲しさのあまり、販売員の目が届かない場所で、それだけそっと抜き取り、肝心の商品はそこ
いらに放ったらかしにするというケースも、けっこうある。
オマケにひかれるお客様の気持ちはよくわかる。
あと、娘が小さい頃は、ミスタードーナッツで発行される券を集めてもらえるトレイなどが欲しく、
せっせとミスドのドーナツを、好きでもないのにぱくついていた。
オマケは、降って沸いた、余興。
予想外の付け足し。
だから、どんなオマケであれ、嬉しい。