向こうが全品10%引きなら、こちらは全品11%引きさ


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六月も下旬にさしかかった、ある月曜日は、兵庫県伊丹市で仕事。
じっとしていても汗がしたたり落ちる日だったのに、案の定、店内は冷え込みがきつく、指先が変色するほど。
芯から冷えきってしまった身体を暖めるべく、昼食後、戸外に出た。

国道をはさんだ真向かいに見えてきた「関西スーパー」の看板。
と、思い出した。毎週月曜日はここの店の恒例特売日だと。一部をのぞき、全商品が10%引きになるのだ。
「こりゃ、仕事が終わった後に立ち寄ってみる価値はありそう」
にんまりして、その日の現場である店の中に戻りかけたとたん、思わず足を止めた。
「毎週月曜日は全商品11%引き」と麗々しく描かれた垂れ幕が、入り口を覆っていたからだ。

「ははぁ、、、」。
向こうが10%引きなら、こっちは更に1%引いた11%引きでいこうという算段。消費者に受けないはずがない。
ただ、ほんの1%ではあっても、大手スーパーに対抗する中堅スーパーにとっては大きな負担のはず。それを敢行しているところに、昨今の小売業の実態がうかがえる。

小売業界は戦国時代。
特に、そもそもは個人商店や市場から変貌、発展し、その地の経済をもリードしてきた、地域密着型の中堅どころが、今、厳しい状況に置かれている。