試食余った2枚のお菓子を捨てないのは「不正」なのだろうが、お店の人はそれを欲しがったよ。

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昨日の続き。


同業者の、ほんの些細な不正(?)をいちいち派遣会社の本部に連絡していた、ホソダさん(仮名)。
今、思い出すに、ある意味で、正義感が強いあまりにルールを破ることに不寛容な彼女の性格を、本社がうまく利用していたのではないかとも思う。


「ホソダさん、あなたは、本当によくやってくれているわ。そんなあなただからこそ、お願いしたいの。こっそりと、コレコレ、ズルしているデモンストレーターを見つけたら連絡してね。これは、我が社のデモンストレーターの質を上げるためには必要なことなのよ」
とか何とか、こんな感じで、うまくおだててね。


ならば、ホソダさんにその特性をいかした役目を、オープンに与えたらよかったのよ。
デモンストレーターの指導係とかね。
正義感か強いことは、基本、悪ではないのだし、やはり不正チェックをする人がいることは、組織にとって必要だ。


ホソダさんが、仲間から敬遠されたのは、不正(?)を働く者たちと同じステージにいるにもかかわらず、その不正を許せずに律儀に報告し続けた結果、
「アイツはチクる=アイツは告げ口する」
との評判が、仲間内から立ち昇り、固定したことにある。


ちなみに、私はホソダさんを知っている、いや、見かけたことがある。
かつて、滋賀県北部のある現場でお菓子のデモをした時に、彼女のデモ場所と隣同士の位置になったのだ。


先の投稿にあらわれたデモンストレーターの弁で、ホソダさんのエピソードと共に外見上や雰囲気のあれこれも聞いていた私。
すぐに、ああ、とわかった。


業務終了後、私はホソダさんに声をかけた。
「試食のお菓子が二枚だけ余った。あなた、どう?  一生懸命に仕事をして(実際、ホソダさんはものすごく仕事熱心)、疲れているでしょ。これは、私がメーカーに代わって立て替えて買ったものだから、(あなたがここで食べても)問題ないですよ」。


ホソダさん、瞬間、目を釣り上げて返した。
「それは窃盗罪にあたりますっ! メーカーのお金で買ったお菓子なのに、余ったからって、よくそんなことが言えますねっ。捨てなさいっ!」


ところが、私たちのやり取りを小耳にはさんだ、その店に勤めるおっさんたち。
「え? そのお菓子、捨てるん? なら、俺らにくれてや。ハラ、減ってんねん」。


ホソダさんは何も言わなかった。


まあ、不正は不正なんだけれど、、、試食で余った2枚のお菓子を捨てずにハラにおさめることが窃盗罪と弾劾される社会は、息苦しいよなあ、、、。


写真は、一番下の孫。