本でも読もうか

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ハイキングやウォーキングはいい。
思い立ったらすぐに出来るし、自分のペースでやればいいし、お金
はからないし、山は涼しいし静か。
自分を見つめ直したい、集中力を高めたい、気分転換したい。
こんな時にもいい。
もちろん、ちょっと難しい本に挑戦する時にも。

八月は二十日から十日ばかりハワイに行くこちらの事情もあるのだ
が、仕事が極端に少ない。
三社掛け持ちでも、わずかに九日。
各方面への支払いがあるので、正直、最低でも十二日は現場に入っ
て稼いでおきたいところのだけれど、ないものは仕方がない。
「これまでもお金の問題はきわどいところで何とかなってきた。今
回もそうだろう」
と楽観し、思考を切り換えるとしよう。
暇だからこそ出来ることをするのだ。
その一つが読書。

ここ数年。めっきり本を読まなくなった。
読んでも、ハウトゥーものや、行間を追っていれば頭に入るライト
な小説ばかり。
読み終わった後、本棚にとっておいていつの日かもう一度と感じさ
せる内容ではない。
そういう薄っぺらい世界に常に触れていると、あらあら不思議、心
が欲求不満になり、カサカサと音をたてるようになるのだ。

書を捨て町に出ようと言ったのは、誰だったか。
私は、逆に、書をたずさえ山に登る。

写真は牛尾山頂き途中にある牛尾観音の入り口。
ここいらまで来ると、空気は澄み渡り、木々のざわめきと川のせせ
らぎ、野鳥のはばたきと鳴き声しか耳に入らず、活字の矢を受けた
いだけ受けることが出来る。

久々に宮本輝を読んだ。
活字だけで動画よりもリアルに情景を浮かび上がらせる。
これぞ、我が求める「心にガツンと響く」文章。