懐古趣味な時計

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アガサ・クリスティのミステリーを読破した夜に宿泊したホテルは、近鉄大和八木駅から、徒歩で五分とかからない、民家が立ち並ぶ
一角にある。

料金は素泊まりでシングル3900円。破格の値段だが、もちろんこ
れにはわけがないわけではない。
トイレが共同で、風呂も共同ではないものの部屋外にあり、それも
自分で用意をしないといけないのだ。この二点をのぞけば、ベッド
もよいし、普段に利用する5000円台のホテルと変わらない。
疲労度を考え、橿原や五位堂で連続して仕事をする時には利用して
いる。
ぶちまけてしまえば、料金面でも、宿泊した方が得なのだ。

このホテル。元は簡易旅館だったのだろうか。ロビーに懐古趣味の
時計があるなど、建物全体が何となく古めかしく、従業員さんも
全員が家族のもよう。
ホテル自体が、一つ前の時代にタイムスリップしたかのようで、ミ
ステリアスな雰囲気がある。

写真の時計。大ヒットした「おじいさんの時計」のメロディが流れ
てきそうな重厚感に満ちており、ボーンボーンと時を知らせる音も、さぞ迫力があることだろう。

こういう場所では、本がよく読める。