田舎のカレーライス

昨日は、京都市内にある地域密着型スーパーでカレーライスのデモ。
残暑厳しい折、適度に食欲をそそり、発汗をうながしてくれるカレーライスは、カラダにも嬉しいメインディッシュ。
実家でも、夏の終わりになると、しばしばカレーライス
が食卓にのぼっていたっけ。

もっとも、私が小学生だった昭和三十年代終盤から四十年代前期にかけての「田舎のカレーライス」は、一般にライス多い目で、牛肉ではなく豚肉が使われていた。それも、ヒラヒラとしていて不揃いな形の細切れ肉。
だからか。18歳で都会に出てきて、最初に友人となった人の家に招かれて昼食にカレーライスをご馳走になった時、あれっと思ったものだ。
「ナ、ナニカが違う。家のカレーよりこちらの方が垢抜けていると言うか、、、。ルウが違うのかな?」
味の違いの原因は、ほどなくしてわかった。
まず肉。友人宅のカレーには豚肉ではなく牛肉が入っていたのだ。しかも、カレーやシチュー用の肉。聞けば、カレーライスとくればずっとその材料だったとか。
次にライスの量。見れば、実にこじんまりと盛り付けられている。
はあ、、、やっぱり町だな。店からして食料品も日用品も衣類もすべて一緒くたにして売っているよろず屋が一軒あるきりの草深い田舎のカレーライスとは、肉の質も見た目の雰囲気も違うわ、、、。
軽いカルチャーショックを受けた瞬間だった。

月日は流れ、四十年以上経った現在。
何故かしら。子ども時代に食べた、ライス多い目のヒラヒラ豚肉入りカレーライス、いま思えばいかにも野暮ったい、されど当時はとてつもなく美味しくて何杯もお代わりした「田舎のカレーライス」にたまらない郷愁を覚える。
酷暑続きでいささかバテ気味ではあるし、明日、我が家でもさっそく作ってみようか。
チープ感たっぷりなあのフレンドリーな味は、夏に疲れたココロをも癒してくれるかも知れない。