炊飯器の普及と炊き込みご飯。

(注)10月25日に書いた記事。

 

天高く馬肥ゆ秋。
ご飯ものデモの続きといこう。


特に子どもには、白米飯よりも味がついたご飯の方がタイプと言う子も少なくない。
カレーライスしかりチキンライスしかり丼物しかりふりかけご飯しかり。
もちろん、がて飯(米の消費を抑えるため野菜などの米以外の材料を一緒に炊き込んでかさ増ししたごはん)を含む炊き込みご飯も好まれる。
実際、炊き込みご飯のデモをすると、まずは香ばしい香りに惹かれて子どもたちが試食台に走り寄ってくる。


炊き込みご飯は、親にとっても嬉しいメニュー。
理由は、ご飯とおかずが同時にとれる上、「もと」を使えば調理なしで炊飯器が勝手に炊き上げてくれるからだ。しかも、普段の食卓では野菜なり鶏肉なりを苦手とする子どもでも、甘辛い味付けの炊き込みご飯としてなら喜んで食べてくれる。
「おやおや、この子、ニンジン嫌いなはずなのに、、、」
「鶏肉だけいつも残すのに、きれいに食べるんで驚いた」
試食現場で、こんな声を幾度聞いたことだろう。


現在ではごく一般的になっている炊き込みご飯のもとがあらわれたのは、1960年代の半ばから後半にかけてだったか。
我が記憶が正しければ、私が小学校4年生か5年生だっ1966年か67年頃、某社の「釜飯のもと」なる商品のテレビコマーシャルがさかんに流れていた。
「具材とだしがセットで、炊飯器に米と一緒にしかけるだけ。具を切ったり、味付けしたりは必要なし」
確か、こんなウリだったっけ。


1960年代半ばから後半は、ちょうど64年開催の東京オリンピックが成功に終わって日本が高度成長への道をひた走り始め、それに呼応するかのように、冷蔵庫、掃除機、炊飯器その他の家電が普及していった時期とピタリ一致する。
すなわち、「釜飯のもと」は、一般家庭における炊飯器の普及を受けて登場し、浸透していったのだ。


炊き込みご飯。
「五目飯のもととかは簡単だけれど割高で、、、」
とおっしゃる方は、残り野菜とダシが出る肉やあげを具材に、味付けは薄めたらOKとうたう白だしや出しつゆを使えば失敗がない(ちなみに、寄せ鍋のもとでも代用可)。


今夜、作ってみませんか。
月末ではあり、冷蔵庫の整理にもなる。