小説「ロボット・イン・ザ・ガーデン」からデモンストレーター業の今後を予測する。

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(注)10月29日に書いた記事。

 

ロボット・イン・ガーデン(デボラ・インストール作、松原葉子訳)。

 

(あらすじ)
AI(人工知能)搭載ロボットが人間と共依存する近未来のイギリス南部。妻にも愛想をつかされた34歳のプータロー、ベンは自宅に迷い込んだ壊れかけの旧式ロボット、タングに奇妙な愛着を覚え、彼を直すために作り主を探すべく、タングを伴って旅に出る。

カリフォルニア、ヒューストン、東京、パラオ。行く先行く先でタングは騒動を起こすが、その過程でベンはそれまでのダメンズ人生を振り返り、本当の自分を発見して少しずつ生まれ変わるのだった、、、。


ロボットのタングの言動が抱きしめたいくらいに愛おしい。まるで憎めない駄々っ子。
それでいて、ベンや周りの人間をも感心させるほどの冷静さと機転と危機管理能力、さらに人心掌握力をも備えており、ラストでは思わずホロリとさせられる。


尚、我々デモンストレーターの仕事が近い将来AI搭載のロボットに取って代わられるだろうという見解が一部にあるが、個人的に
「それはない」
と断言する。
理由は、基本的な商品説明や簡単な質疑応答だけならロボットで十分でもそれ以上の対応は無理だと感じるからだ。
つまり、説明を聞いて疑問点も尋ねて、その上で
「この商品を使ってみよう(=買おう)」
という気にさせること。
これは、人間でないとね。
ロボットは機械だから誤作動をおこしてイレギュラーな展開になることも考えられるし。


ただ、デモンストレーターによるデジタルサイネージ化は、試食を伴わない分野(酒類、歯磨き粉や剃刀などの日用品)では拡大し、現場での仕事は減っていくだろうね。