お客様にとってのほどほと感~責任を取らされるのは末端にいる人間?

昨日は京都市内の某大手スーパーで、鍋つゆのデモ。一昨日とは違い、大楽勝だった。商品の方から勝手に売れて行ったと言う感じ。
担当商品が、価格といい量といい味覚といい話題性といい季節感といい、ここのお客さんにとっては「ほどほど」の範囲内であったことが、この結果につながった。
要は、商品がこの店に来られるお客様の大半の生活にフィットしていたわけですよ。

「来店されるお客様にとっての」ほどほど感。これがわからないメーカーがあまりも多いと思う。
一昨日の投稿でも紹介した、大阪の下町にある小さなスーパーで高級中華だしの大缶をデモしていた同業者は、試食を作るためのサンプル用に購入した一缶を含めても売上は三個(すなわち純売上は二個)だったと語った。
「皆さん、言いはんねん、味は確かにいいけれどこんな大きいのはいらん、って」。
そりゃそうだよ。あの店のメイン客層は年金生活をしているお年寄り。一人暮らしや家族はいても配偶者だけのお客様がほとんど。大缶を買っても消費期限内に使い切れないよ。だから、あの店では適量が入ったチューブタイプや粉末タイプをデモしたらよかったのよ。味は評価されているのだから、そこそこの売上はあったはずだ。
大缶をデモさせられた彼女に、底売上の責任はない。

ここいら、実はメーカー側でも小まめに店舗まわりをしている末端の営業マンはわかっているのではないか。
問題は、その現場をよく知っているはずの営業マンの感想や意見が本社でマーケティングや販売企画を担当する側に伝えられていない、あるいは伝えられていてもそれが取り上げられない点だ。

ネットの記事で読んだことがある。食品ではないけれど、ある業界で本社から現場に時おり「手伝い」に来るマーケティングや企画の社員は積極的に販売をしようとしない。
そのことを古くから現場にいる社員がやんわりとたしなめると、こう返ってきたとか。
「私たちは販売をするためにこの会社に入ったのではない。マーケティングや企画をやるためだ。そのために大学も出て、専門の知識も身につけた。販売はあなたたちの仕事でしょ」。
この考え。絶対におかしいよね?
現場を知らずしてお客様が求めるものを企画したり、その企画した商品を販売する戦略が立てられるわけがない。

それに、販売員に対してあまりにも上から目線。
そもそも、マーケティングだか企画だか知らないが、あなたたちが受け取る給料は販売員が稼ぐ売上から出ているんですよ!

何かね、こう、、、どこの業界でも結果の責任を取らされるのは末端にいる人間だという気がする。