メーカーから消費者への働きかけ~仕掛け

昨日の健康酢に関する記事で、「発売開始当時はさっぱり売れなかった健康酢が、たまたまテレビの健康番組で取り上げられるや一気に話題となり、さらに有名女優が飲んでいると知られるとますますブームに拍車がかかった」と書いた。

さて、このいきさつを読んだあなたの心に、こんな疑惑は生まれないか?
「そういう事例があるなら、たまたまなんて偶然を待たず、メーカー側から故意にきっかけを作って消費者に働きかけたらいいんじゃないの? つまり、仕掛け」。

はい。ごもっともです。
で、先に答えを書いてしまいますけれど、そのような「仕掛け」は、実はもうたくさんたくさん、どのメーカーさんもされているんですよ。
うまくいったか、いかなかったかは、とりあえず置いておいて。

仕掛けの一つはTVCM。

昔ほど観られなくなったとは言え、まだまだテレビ愛好家は多く、当然ながら番組の間にはさまれるCMの影響力も無視出来ない。

ここで、思い出してしまうんだな、、、某社がキモ入りで発売した植物性乳酸菌飲料
あの商品に、私は発売前から研修などで関わり、発売直後からデモンストレーションの為に店頭に立ったから特に感じたんだけれど、商品のイメージキャラクターに大女優のS・Yを起用したことも商品の大ヒットにつながったのではないかと。

当時、植物性乳酸菌は一般にはそんなに知られていなかった。
その説明を、かのSさんにCMの中でさせる(彼女は、女優の中でもセクシー派ではなく知性派ととらえられていたから、そんなシーンがあっても不自然には感じない)。
しかも、それを言うS・Yの、年齢を感じさせない美貌ときたら!

さあ、まずS・Yと同世代の女性に火がついた。
植物性乳酸菌と、それをとる意義を理解した上で、
「これを飲めば、憧れのSさんみたいにきれいになれるんじゃないか。いや、本来のツクリもあるからSさんの足下にも及ぼないだろうけれど、少しは近付けるんじゃないか」
と、飲料を飲んだ後の自分の姿をイメージしたのである。

この年代の女性にはお腹の問題に悩む人が少なくないこともあり、メーカーによってなされた「仕掛け」は大成功。

ただ、この手の仕掛けは、資金に余裕がある大手に限られるね。

他にも、「うまい仕掛けだな」と、仕事がら思った商品はあるが、その紹介はまたの機会にしよう。