観光地での試食販売。

那覇で訪れた、ギフトショップ兼飲食店の「パイナップルハウス」では、パイナップル以外の試食も行われていた。
「もずくうどん」もその一つ。

「ばあば。(店の)入り口のところで、うどんが食べられるよ。みんな並んでいる」
との孫の声に、
「ははあ。試食販売をしているのだな」
と察し、うどんそのものは欲しくはなかったが、同業者ということから
「どんな感じなのかな」
と好奇心が湧き、そこへ赴いた。

40歳くらいの男性が、特に愛想を振る舞うでもなし、淡々と集まったお客さんにうどんを提供していた。
食べるつもりはなかったのに、孫に試食のうどんを盛った碗を渡すや、流れ作業のような自然さで、横にいた私にも試食碗を差し出す(だから、思わず受け取ってしまう)。
ごくごく短いながら、一連の動きのさりげなさ。
「(試食販売に)慣れた人だな」
と、それだけでわかった。

味が気に入ったので、お土産も含めて4箱買い求めたところ、男性は沖縄名産のもずくをおまけにつけてくれた。
思い起こせば、今年初めにお一人さま旅をした韓国でも、似たことがあったっけ。立ち寄ったデパートで試食したお菓子がとても美味しく、3箱買ったら、デモンストレーターの女の子が大喜びして、いろいろなお菓子のサンプルを集めた小箱をプレゼントしてくれたのだ。

気持ちはわかる。
観光地での試食販売は、私も幾度も体験済みだから知っているが、試食数の割に購入数は多くない。食べ逃げや飲み逃げの比率が、観光地ではない地域にある店舗での実施と比べると高いのだ。
そんな中、3つも4つも買ってくれた。
販売する側にすれば、そりゃ、感動ものだ。何らかのサービスはしたくなるわなあ、、、。

とは言え、自分がやる分には、観光地でのデモンストレーションは、あまりやりたくないのが本音。
理由は、繰り返す。食べ逃げ飲み逃げが多いんだもん!