更年期障害の「苦しみ」は共有出来なくても「悲しみ」は共有出来る。

昨日の記事で、こんな趣旨の一文を書いた。

「ドラッグストアで、更年期障害対策用に開発されたサプリを宣伝販売している時、更年期障害が全くなかった私はお客様の訴えが今ひとつピンとこないまま仕事をしていたが、あるお客様の一言から、辛さは厳密には共感出来なくても悲しさは共感出来ると知った」。

さて、このお客様の「ある一言」とは?

お客様は、こうおっしゃったのだ。
「家族や親兄弟にもなかなかわかってもらえなくて。本当にしんどいのに、主人からも元気な実の妹からも怠けているように、暗に言われる。更年期障害の症状も辛いけれど、これが一番こたえる」。

「ああ、ああ、わかります、わかりますよぉー」
思わず心で叫んだ私。なぜなら、私も貧血で同じような体験を幾度となく味わったからだ。

体質なのだろうか? 物心つく頃より低血圧の貧血症。特に思春期に入って生理が始まると、その期間の症状は半端ではなかった。
保健室のお世話になったこともある。

真実、気分が悪いのに、周りの人すべてが理解があったわけではない。
「目がまわるとかボーッとして力が出ないとか、思い込みと違うの?」
「要は横着。貧血は言い訳」
したり顔でこんなセリフを吐く人もいたっけ。

話を元に戻す。
くだんの「家族や親兄弟にも(症状の辛さを)わかってもらえない」お客様の嘆きを聞いた時、私には彼女の気持ちが他人事とは感じられず、自分でも気がつかないうちに
「まあ、お客様、それはそれは悲しいですよねえ」
と、心より口にしていた。
この時、吹っ切れたのだ、更年期障害を知らない私が更年期障害に悩む人にその対策用のサプリを宣伝販売することへの引け目が。

何らかの原因で更年期障害をパス出来た私には、ホットフラッシュを始めとする更年期障害特有の諸々の症状の苦しみは、はっきり言って共有出来ないかも知れない。でも、それに見舞われた悲しみは、自身の貧血体験を通して共有出来る。

大きな進歩だった。
この気付きは、その後、他の健康食品関連のデモンストレーションでも大いに役立ったのだ。

写真は、高野山奥の院にある、ヤクルトを考案した代田博士の墓。
虚弱児で、わけても胃腸が弱く、これまた物心つく頃より正露丸と縁が切れなかった私が、まあまあまともに学校生活を送れるようになった手助けをしてくれたのが、ヤクルトだったのだ。
これは、いずれ、話そう。

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