ガヴァネス(女家庭教師)とデモンストレーターには共通のものがある。

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試食販売の仕事は、以前として、全くなし。

 

まあ、小売店が、相変わらずな状態だからねえ、、、レジ係は、どこもマスクとアクリルシートと手袋で来店客との「密な」交流をシャットアウトしている。
こんな様で、試食など実施出来ようはずがない。


もっとも、仕事にあぶれているおかげで、引越し作業に集中出来、大好きな本がたくさん読めるのは嬉しい限りではある。


いま、読んでいるのは、シャーロット・ブロンテが書いた不朽の名作「ジェーン・エア」。
この長編恋愛小説。実は中学校に上がった12歳の春に読んだ。
今回、51年ぶりに再読しているのだ。


会話に理屈っぽい言い回しや聖書からの引用句も多く、その会話と会話をつなぐ文章も「いかにも」的な翻訳くささがあるのだが、物語に起伏があって登場人物の個性がはっきりしていることと、適度に世俗的なミステリー要素が随所に散りばめられていることで、ストーリー自体は小学校を終えたばかりの女の子にもわかる。
ただ、ストーリーの背後にある細かい心理の描写やヒダは、一定の年齢を過ぎないとも読み取れないもので、今回はそこいらが理解できたのが、とても嬉しかった。


理解できたことの中に、主人公のジェーンが就いた、ガヴァネスという職業の特殊性と、それゆえに植え付けられざるをえなかったガヴァネスならではの屈折がある。


ここに、私は私たちデモンストレーターとの共通性を見出したのだが、それは次回の記事で詳しく述べるとしよう。