「経理部の森若さん」シリーズをご存知だろうか?
天天コーポレーションの経理課に勤める森若紗名子を主人公にした「お仕事小説」で、テレビドラマにもなったから、原作は読んでなくても大まかなストーリーというかシリーズの内容だけは存じ上げている方は多いかも知らない。
この小説を読んで、あらためて私が感じたことの一つに、
「私には、やはり、経理の仕事は無理」
という、いたってシンプルな事実がある。
繰り返す。
私は、企業の財務諸表(決算書)を見るのは、決して嫌いではない。むしろ逆。目の前に現された数字からさまざまな事柄を想像し、あれやこれや思いをめぐらせる行為は楽しい。
ところが、そこに至るまでのプロセスをこれまた想像すると、ゾッとする。
限りなく、細かい計算作業を積み重ねなければならないことは容易にわかり、その手間が嫌なのだ。
要は計算が億劫なのよ。
「計算なんて、現在ではコンピュータ様がやって下さるでしょうが」
とおっしゃるあなた。
確かにそうではあるけれど、コンピュータに入力するまでに小さな額の計算を人間の手ですることは、多いでしょ。
あれが、私の場合、面倒くさく感じるのだ、、、いくら電卓を使ってもね。
足し算引き算掛け算割り算は出来るし、学生時代にアルバイトで就いたスーパーのレジの仕事は大いに気にいっていたのだが(人間観察が出来るので)、、、まあ、、、向いてはいないわなあ、、、計算に。
ズバリ、注意力散漫なのだ。
よほど心していないと、ケアレスミスが生じる(これを防ぐため、私はメモをレジ横に貼り付け、レジにお札が入る時と出る時は記録していた。この方式をとると、目でも口でも手でも三重に確認がとれるため、ミスしない)。
それだからか。
自動で数字を集計してくれるアプリが登場するまで、私にはどうしても家計簿を続けてつけることが出来なかった。
途中で数字が合わなくなり、その時点で原因を追及するより
「やーめた」
と、投げ出してしまうのだね。
そもそも、一日中キカイの前で数字を相手にする、この光景を我が身に重ねること自体、全くイメージが湧かないわ(スーパーのレジ業務が楽しかったのは、さまざまなお客さんと会い、会話をしたりちょっとしたハプニングを体験したり、そちらの方で変化があったからだ)。
適性はある。必ずある。
ただ、たった2年でも経理の仕事をしたことは、良かったな。
経理は、営業と並ぶ、経営の車輪の一つ。自転車に例えたら、営業が前車輪で経理は後車輪。2つの車輪が連携して気持ちよくまわってこそ、自転車は進むことも必要な時には退くことも出来るのだ。
写真は、娘が中学生の頃に作ったオブジェ。