仕事の適性とは、能力以上に性格

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十数年前の話になる。


ある現場で、大学卒業後の就職がうまくいかなかったため、とりあえずは派遣会社に登録してデモンストレーターをしている某女性と話をする機会があった。


彼女。デモンストレーターになる前は工場のライン勤務をしていたとか。
「就職出来なかったからといって、実家に帰るわけにもいかなかったんです、、、両親は既に亡く、兄夫婦が(実家を)牛耳っていましたから、アタシのいる場所なんてない。それに、あんな田舎で職なんてありませんよ。町役場の職員と診療所の看護師と保育園か小学校の先生くらいです」。
つまり、学生時代と同じように、都会に住んでそこで踏ん張るしかなかったのだ。


卒業式を終えた次の日には、彼女は、就職情報誌で見つけた冷凍食品工場で働いていた。
ベルトコンベアに乗って次々に運ばれてくるピザ生地に具材をトッピングしていく業務。いくら冷凍に対応した特別な防寒着を至急されても寒いことに変わりはないし、立ちっぱなしではあるし、、、それでも、若さからか、さほどキツいとも感じなかったそうな。
「何より時給が良かったですしね」。


彼女が工場勤務を辞めたのは、3か月後。仕事が、身体的にではなく精神的に辛いと感じ始めたのが理由。
「流れてくるピザ生地に具材を乗せていくだけなんで、簡単なのは簡単なんですが、気が滅入ってくるんですよ、そういう単純作業を繰り返していると。短期間なら何とも感じなかったんでしょうが、これがこの先もずっと続くと思うと」。


わかるわあ。私も学生時代、印刷工場でアルバイトをし、朝8時から12時、昼の1時から夕方の5時まで、ひたすら同じことをする業務に疲れ果て、3日で辞めたクチだから。


工場勤務の後、デモンストレーター業に就いた彼女。
「こちらもひんやりした場所での立ち仕事だし、接客業でもあるから気疲れもある。本当なら、工場勤めよりしんどいはず。なのに、いやなお客さんに会ったり、うるさい売り場担当者に当たったり、そういうことがあっても尚、このデモンストレーターの方が疲れない。結局、仕事に向き不向きって、性格の問題じゃないでしょうかね」。


そうなんだろう、きっと。
適性とは、能力以上に、性格が関わり合う面が大きいだろう。
これに関しては、私にも心当たりがある(続きで述べる)。


ちなみに彼女。縁あって、中途採用で某食品関連の会社に営業職で就職することが出来た。
やはり、この人は、コツコツとモノを製造するよりは販売や営業に向いていたのだろう、、、性格面で。


写真は、我が家のお手洗いに飾ってある観葉植物。