(注)12月4日に書いた記事です。
大阪での仕事が終わった。
ただいま、京都に帰るべく、新快速に乗っているところ。
18時台の上り新快速でも、人はいっぱい。
もう30分から1時間遅くなれば、もっと混んでいることだろう。
「ミツになるな。人と人との距離を取れ」
と、オカミはやかましく言うけれど、現実には不可能だわ。
さて!
宣伝販売の仕事が、ポツリポツリながらもあるのは、我が趣味の一つである「マン・ウォッチング」面からも嬉しい。
それに付随して、老若男女を問わずお客様のファッション観察をするのも、楽しい限り。
そこで今更ながらのように気づくことは、女性にはスーツやコートなどの基本服ですらいわゆる「男性色」をまとう人が少なくないのに、男性には基本服はもちろんマフラーやネクタイなどの小物にも俗にいう「女性色」を身につけている人がほとんどいないことである。
なお、ここで言う「男性色」「女性色」は、世間一般にはびこる「通念」としての概念。
例えば、新生児を包むブランケットを、男児は青、女児はピンクと色分けしている産院は、未だ珍しくない。
オギャーと生まれた瞬間から、少なくとも、ここ日本では、性による「相応しい(?)色」が決められてしまうのだ。
その結果が、上の現状。
もっとも、冷静に考えてみよう。
赤やピンクやオレンジなどの明るい色(社会通念では女性色とされている)を、差し色としてでも男性が自らのコーディネートに用いることは、そんなに奇異なことなのだろうか?
今日の現場でも、ダークにしてダル系のオレンジ色、ズバリ柿色のマフラーをしている70代後半の男性のお客様を見かけたけれど、少しも周りから浮いていなかったよ。
むしろ、濃茶のハーフコートに、その柿色のマフラーは小憎らしいほどにマッチし、男性の顔色をも明るく見せていた。
我が担当商品をお買い上げ下さったので、お礼ついでにマフラーのことを
「よくお似合いですね。しっとりとしたオレンジがきれいです」
と話題にしたら、お孫さんが編んで下さったとのこと。
何でも、数年前に大病を患い、喉を冷やしてはいけなくなったところへ、お孫さんがこの手編みのマフラーをプレゼントしてくれたとか。
「最初は、こんな派手なマフラー、恥ずかしかったんですよ。でも、孫の気持ちを考えてつけ続けていたら、おねえさん(私のこと)みたいに褒めてくれはる人が多くて。今では全く気にしませんね」。
男性、特に高年男性諸氏よ。
コーディネートの中のほんの一部でよい。明るい色を身につけよう。
それは、きっとあなたの隠れた魅力を掘り起こし、あなた自身も新しい発見をするはずだ。
何より、おしゃれなおじさんが増えたら、この日本も変わっていきそうな気がする。