売れない商品

 朝から気がふせっている。
 理由は明日の仕事。
 あの大正製薬の特に売りにくい商品「キトサン青汁」。
 前回も二個しか売れなかったし、今回は、田舎の小さなドラッグストアで実施するんだから、下手
すりゃゼロよ。

 高いわな。
 三十袋で2940円。
 トクホと言っても身体への効能なんてすぐにあらわれるものじゃなし、お試しで買うにはちょっと
いう感じ。

 何よりイヤなのが、売れない商品だからか、売上にやかましい点。
 京都小川珈琲の女営業と同じだ。

 小川珈琲の場合、売れる店舗では売れる。面白いほど売れる。「京都小川珈琲」の名だけで買って
いくのだ。
 逆に、売れない店舗では売れない。
 以前100g898円のコーヒーを
「40個は売ってもらわないと赤字なんですよね」
 と言った営業の女がいたが、その店に出入りするお客さんを見たら、あなた、見当つくでしょうが。
 そこの地域性と言うか、客層が。
 私が担当した店は、典型的な庶民スーパーだった。
 庶民は、特にコーヒーにこだわりのある人をのぞき、一般に100g898円のコーヒーは買いませんよ。
せいぜい500円までだ。
 
 他でもあったよ。
 生クリーム200個を売り切れと強要した店。
 でも、その店は高齢者中心で、来店するお客さんも、スウェットにツッカケ、ドテラといった格好。
 ドテラをはおって買い物に来るような人が手作りケーキなんか作るかいな!
 料理にも使えるったって、そういう方は生クリームが材料に必要なバタくさいもんは作らんよ。

 売れないからこそマネキンの力量でなんて、本気でいう営業や店舗担当者もいるけれど、困ってし
まう。
 憂鬱やなあ。
 すごいプレッシャー。

 ま、亀岡の美味しい地酒を買ってくることを楽しみに頑張ろう。
 チビチビやりながら、ゴジラ第二弾「ゴジラの逆襲」をDVDで観るのだ。