グループ

 外から来た人間に対して異様にきつい店舗は他にもある。
 いちいち名はあげないが。

 そのぶん、中の結束は強いのかと言うと、必ずしもそうではない。
「自分たちとは異なるものに距離を置く」、すなわちネガティブな理由で結びついているグループだもの、ちょっとしたきっかけで、いとも簡単に壊れていく。

 こうした結びつきは、残念ながら、女性に多い。
 女子校の仲良しグループ、主婦たちのママ友、OLたちの派閥。
 何となくわかるでしょ。
 例によって、そのグループの中心には、必ずボスがおり、その取り巻きがいる。

 もちろん男性にもグループはあるけれど、こちらは出世とか取引先に対する顔とか、社会的な要素が加わるから、女性ほど閉鎖的ではない。
 そのかわり、建前やら欺瞞やら策動やら裏切りで満ち満ちている。
 不純なのだ。政治家や実業家の世界をごらんなさい。

 ただ、グループから弾き出された場合、女性なら
「こちらもグループは卒業よ。私は私でお気楽にやるわ」
 と開き直ってしまえば、かえって快適な日々が待っているが、男性はそうはいかない。
 仕事そのものをさせてもらえなくなるからだ。

 私は、グループなど、大嫌い。
 大嫌いだが、窮地に陥った時に頼りになるのは同胞だと知っているので、最低限のネットワークは築いている。