オマケなし?

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「えーっ、オマケなしかいな」
「はい。申し訳ございません。メーカー本部から、それはいけない
と、厳しく言われておりまして」
「普通は10本入りを買ったら2本くらい(オマケを)つけてくれるけど
な」
「会社の方針が変わりまして……。景品なら、台所スポンジでもジップロックでも、はずませていただきますよ」
「そんなしょーもないもん、いらんがな。中身が入ったオマケが欲しいんや」
「すみません……」

こんなやりとりが何度かわされたことだろう。先週、奈良県東生駒にある某店で栄養ドリンクを担当した日の話だ。

この栄養ドリンクを製造販売しているメーカー。前々から、販売数はもちろん、試飲本数やデモを行うための諸経費にもうるさいところなのだが、ついに試飲サンプルを商品ご購入のお客様へオマケとして渡すことも禁止してしまった。
指示書にも商品説明書にも繰り返し「決して渡さないで下さい」と記載している他、わざわざ別紙にて「店の担当者や巡回に来た営業に促されてもノーです」と、赤のアンダーラインまで引いて注意しているところをみると、絶対にいけないのだろう。

メーカー側の気持ちはわからないでもない。オマケは、ややもすれ
ば、エスカレートしていくからね。こちらは1セットでも多く売りた
いし、お客様の方は1本でも多く得をしたい。この両者の願望が絡み
合った時、
「お姉さん、10本入りを2セット買うからオマケはずんでや」
 「もちろん。5本差し上げますよ」
「そんなケチなこと言わんと、もう1本サービスして6本にしてくれぇな。いつも買うてんやし」
と、こうなる。ある意味、キリがないのだ。
とてつもなく厚かましいお客様もいるし。

それを百も承知で、「オマケはつけないとダメだよね」というのが、今回はじめてオマケなしで販売した私の実感である。

確かに、オマケをつける経済的な負担は、メーカー側にとって小さくない。下手をすれば赤字になるケースも。

ただ、デモンストレーションの目的が、販売以外に宣伝も兼ね備えている点を考慮すれば、商品と企業のイメージアップをはかる意味合いからも、たまにはお客様にオマケという形でサービスしてもよいのではなかろうか。

写真は、この日の現場の最寄り駅構内にあった花壇。写真を撮って
いたら「ありがとうございます」と、六十歳近いと思われる女性が
話しかけてきた。駅の美化にかかわっているボランティアスタッフ
だろう。

利害が絡むにしろ、そうでないにしろ、ボランティア精神が必要な場面はある。