ダンシャリ

例年、二月は仕事が少ないのだけれど、今年も例にもれず。

否! 少ないということはないぞ。こちらも、もろもろの事情から、依頼を何件か断っているのだから。
そう、選ばなければ、ちゃんとある。私に例をとれば、娘が大学に行っていた時と同じく、
「どんなにややこしい仕事でも受けます」
「どんなに遠くの現場でも文句は言いません」
「どんなに難しい担当者がいる店舗でもかまいません」
と、こんな調子であれば。
現に、この仕事を始めて二年目の2005年の2月は、二週間連続で現場に立ったこともある。

マネキン十年目の今年は、いたってのんびりと構えている。
「ま、なるようになるさ。今まで何度もこういう時はあったのだし。オシゴトがないならないで、いい機会、家の中を徹底的に片付けて、心もリセットしよう」
と、毎日、せっせとダンシャリしている。

こういう心境になったのは、主に経済面で落ち着いてきた背景が大きい。一昨年にキャッシングを完済し、昨年には車をはじめとするローンもすべて終わった。晴れて、ホンマのホンマ、借金ゼロになったのだ。
更に、少しずつではあるけれど、再び貯金が出来始めた。
貯金で、当面の生活費がプール可能となり、奈良県吉野郡にもベトナムにもカンボジアにも遊びに行けた。

「お金の問題なんて何よ。大したことない」とおっしゃる方もいるけれど、個人的にそれは違うと思っている。人が生きていく限り、お金は必要。「大したことない」と切って捨てる人は、多分おそろしく想像力に乏しい人なのではないか。

落ち着いた時点で、見えてきた。我が家があのような状況に陥った、真の原因。
直接の引き金はバブルが弾けて夫の仕事がつまづいたことにあったのだけれど、あくまで引き金。根本はもっと深いところにあった。お金に対する態度には、その人の思考法や生活習慣などが如実にあらわれるからだ。

ダンシャリしたいのは、モノだけではない。
「運」の通りを悪くし、空間を澱ませてしまう思考法や生活習慣。
これこそが、ダンシャリしたい筆頭だ。