エラいのはアンタではなく会社~勘違い人間

八月三十一日。夏の最終日。明日から暦の上だけでも涼しい秋のだと仄かな安堵を感じる反面、一抹の哀愁を感じるのは、毎年のこと。
これは、去りゆく夏にまだまだ求めるところがある証拠だろう。

私たちデモンストレーターに厳しさを通り越して過酷な態度をとることで有名な某店。
とうとう公の機関から勧告がいったそうな。
何でも、「デモンストレーターなんか人間以下や。人間以下なんやから、トイレにも行くな」と発言した従業員がおり、実際に言われたデモンストレーターはトイレに行かせてもらえなかったとか。
やり過ぎもやり過ぎ。
裏で取引業者にこんな仕打ちをする従業員が、よくお客さんの前で「いらっしゃいませ」と、ニコーッと笑えるもんである。

また当店でデモンストレーターたちを仕切る立場にいるおばちゃん(いつも居丈高な態度をとるので、これまたデモンストレーターたちに非常に評判が悪い)。
とある若い女デモンストレーターの爪が伸びていると怒り、自ら爪切り用具を持って彼女の爪を切ったところ、深く切り過ぎてその女性は血を出してしまった。憤慨した女性の両親は店に乗り込み、「おい、こら、店長を出せ!」。
もちろん、店長をはじめ、平謝り。

なーんか、勘違いしているんじゃないの、このお二方。
大きいのはね、会社であって、あんた方じゃないの。
あんた方なんて、勤めている会社の名前がなかったら、すなわち「〇〇ストア(仮名。そこのスーパーのチェーン名である」が前につかなかったら、ただの「□□さん」であり「△△さん」なの。
そこいらにいる、ショぼいオッサンオバハンね。
エエとしこいて、こんなシンプルな事実もわからんのかね。

ま、こんなタイプはどこの社会にもいる。
お役所にも銀行にも研究機関にもマスコミにも学校関連にも。
「一人でエラそうにしていてアホなやっちゃ」と、陰では笑われているに決まっているが、性分だからなあ、、、こういう痛い目に合わないとご本人にはわからない。

不幸にしてこんな奴と関わりあうことになっても、こちらは堂々としていましょう。
現に、爪の件で、上のおばちゃんにやはり「切りなさいっ」と命令された同業者は、「切れ切れ言いますけどなあ、これ以上短こうしたら、私、仕事、出来ませんやん。
そしたら、オタクら、困るのんとちゃいます? それに手袋するんやから、爪なんか関係あらしまへんがな」と言い返したところ、おばちゃんは黙ってしまったとか。

わかる?
職権を利用した弱いものいじめをしているのよ。
で、弱いものいじめをする人間は、実は自分が弱い。
弱いから、常におびえ、権力という名のムチを振りかざして自分より弱いものをたたき、我が弱さを隠そうとする。
ちょうど、うっかりムチを離してしまった調教師が、ここぞとばかりに、ふだん調教している猛獣に襲われるように。
猛獣にすれば、怖いのは調教師じゃない、彼(彼女)が手にしているムチなのだ。
これがわからないのは、滑稽を通り越して、悲劇だわなあ、、、。