販売員は目立ってはいけないの?

一昨日の現場は大阪中部の大型スーパー。
業務中、少なくなってきた試食皿と試食用フォークを補充するためにバックヤードに下がると、浮かない顔をした同業者の一人が。
「どうしたん?」
と尋ねると、彼女がその日につけていたエプロンのことで、店舗担当者からバックヤードに呼び出され厳しく叱責されたばかりだと言う。
「キャラクターの絵柄が入ったエプロンなんて、ふざけている。もっと身だしなみを考えろって」。
ん? ん? ん?
確かに彼女はディズニーもののエプロンをしていたけれど、それがいけないの?
汚れていなかったし、生地もパリッとしていた。
それでいいんじゃないの?
キャラクターが入っていたら、身だしなみがなっていないの?

「いやぁ、店の担当者にもいろいろなタイプがおるよ」。
翌日に入った別の現場の試食調理室で、お互いに作業をしながら、同業者たちにこの話をすると、この道◯10年のベテランデモンストレーターから、こんな答が返ってきた。
「販売員は目立ったらあかん、常に黒子、主役はお客さん。頑なにこう信じている担当者もおる。やから、ちっとでも派手な服装や化粧、髪型はNGなわけや。私も、うんと昔、地はベージュやったけど花柄のエプロンしていて怒られたこと、あるで。そん時の担当者によると、ウチらはエプロンも含め、中に着るセーターやシャツも黒か灰色か紺でないとあかんねんて。もちろん、スラックスやスカートもせやで」
はぁー?
黒か灰色か紺の服に、やはり黒か灰色か紺のエプロン。
販売員の印象、暗くなるよね。
もっとも、担当者が「販売員は目立ったら失格」と考えている以上は、その方がいいのかな。
お客様に目立つより暗い印象を与えた方がね。

ここで、思い出したのは、金曜日の現場(阪急宝塚線の某駅を降りてすぐ)の担当者が、昼休憩中に仲間うちに話していた内容。
職場研修でアメリカのスーパーマーケットを視察したのだが、あちらの販売員とお客さんとのフレンドリーな関係に驚いたとか。
アメリカの販売員は日本の販売員みたいに、お客さんにへりくだっていない。立場は対等」。
アメリカでなくても、他の外国でもそうだね(それが、往々にして、日本独自の「おもてなし」接待に慣れている我々には「愛想がない」とうつることもある)。
服装も、トップだけは制服を着ているが、ボトムは派手なズボンやスカートだったり。
彼らに、「日本では、販売員は目立ってはいけないんだ」などと話したら、目をパチパチするだろう。

国民性や文化、伝統の違いもあるので、どちらがいい、悪いとは、言えない。