人に大事にされていない人間は、人を大事にすることも出来ない。
タクシー運転手をご主人に持つ同業者がいる。
彼女によると、ご主人の給与の大半は歩合。基本給は
「月に10日前後しか宣伝販売の仕事をしない私より低い」(!)。
ぬぬぬ。
何よ、これ?
ところが、彼女いわく
「こんなものですよ、タクシー運転手の実情は。てか、主人の(勤めている)会社はまだマシなんちゃうかな」。
つまり、もっとブラックなところもあるわけね。
そう言えば、京都と奈良の境目あたりにある某駅から乗ったタクシードライバーもぼやいていたな。
「うちの会社はね、1ヶ月のノルマ額を満たさないとその月は基本給だけなんですよ。そうなると、パートに出ている嫁さんより稼ぎが少なくなって、家族4人、とても暮らしていけませんな」。
はあ、、、。
もっとも、これって、法律違反じゃないの?
仮に1ヶ月のノルマ額が50万円で運転手の売上が49万円だったとする。
規則によれば、「ノルマ未達成」の「正義」のもと、彼が稼いだ49万円はそっくり会社のものになるわけだが、これってねえ、、、引っかかるよね。
こんな理不尽かつ過酷な労働条件のもとでは、そりゃ
「1500円程度のカネしか落とさないヤツ(お客さん)に時間と労力を使っていられるか」
との考えになり、それがお客さんへの態度にもあらわれてくるわなあ。
見えてきたぞ。
「人に大事にされていない人間は、人を大事にすることも出来ない」
ということが。
これは、タクシー運転手に限ったことではない。我々が属する小売業の人間にも言えること。
いや、工場労働者や営業マンにも言えるかな。
とにかく、現場で働く人間をもっと大事にせにゃならん、日本は!
写真は、京阪山上駅構内にある、軽食兼ちょい飲み屋での一品。
車を使って仕事をするのではない身には、仕事が終わったあと、たまにこういう楽しみを味わう機会もあるのだけれど、、、そうでない人は翌日のアルコール検査を考え、こんなささやかな時間も持てないわなあ、、、。