日本の肉は柔らか過ぎる〜その2

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昨日の続き。


日本に住んでいたり旅行などで訪れた外人さんはおっしゃいます。
「日本の肉は柔らか過ぎる」
これ、ホント?


ホントみたいですよ。


もっとも、肉はすき焼きや鍋物や煮物の具材の一つとして摂ることはあっても肉そのものを味わう、例えば焼き肉やステーキなどはほとんど食べることがない、いわゆる和食党である我が家は、肉食がメイン食文化の国に行っても野菜料理を多く注文する傾向があるので(ただ、それもドレッシングがやたら甘かったり炒める時に使う油分がきつかったりして、そんなに美味しいと感じたことはない)、自信を持って「そうだ!」
と断言は出来ないのだが、欧米に長く暮らした体験がある人に話を聞いた限りでは、間違いなく、
「日本の肉は柔らか過ぎる!」。


「決してオーバーな表現ではありません。ゴムゾウリの底みたいなステーキがドーンと出てきます」。
教えてくれたのは、大学と大学院の数年間をアメリカで過ごし、帰国後も仕事で頻繁に渡米しているA氏。
「大きさだけでなく、固さもボリュームたっぷり。慣れないうちは手も口もだるくなったかな。なのに、慣れたら、あの噛みごたえが何とも言えないんですよ」。


はあ?
噛みごたえねえ、、、。
そういうタイプの肉を食べたことがない私には返答のしようがない。


そもそも見た目が「ゴムゾウリの底みたい」な点で、その肉にケモノを感じ、生理的に受け付けんわ。
私は、根っからの農耕民族タイプなのか?(まあ、客観的にみて、狩猟民族タイプではないわなあ)


A氏によると、日本の肉に比べて固いと感じる欧米の肉は、しかし味はイイと言う。
「噛みごたえがあるぶん、しっかりと味わうことができるから、肉の旨味を堪能出来ますよ」。


肉ばかりではない。
日本ではパンも柔らか過ぎると指摘したのは、ヨーロッパの某国出身のV氏。
「食パンでもロールパンでも、どうしてあんなにフワフワとして頼りないんでしょうねえ?」。


ううむ?
個人的には、日本人は少なくとも弥生時代以降は基本的に農耕民族であるということ以外に(稲作自体は弥生の前の縄文時代末期より行われていたらしい)箸を使って食事をすることが、全般に柔らかいものを好む理由の一つになっているのではないかと推測している。


つまり、箸で処理出来ないものは食べないのね。


食べ物の固さという、こんな小さなところにもその国の歴史や文化の片鱗を知ることが出来、「食」の奥深さを感じる。


写真は、1月に仕事で姫路を訪れた時、昼食をとったカレー店の看板。
ハンパない肉の量ね。
これを一人で食べられる人、いるのかしら?