大学は義務教育ではないが、貧窮する大学生を救済するのは国の義務。

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先月から頻繁に仕事をしている夢をみる。


すき焼きのデモがうまくいって悦にいっていたり、もやしとニラと豚肉だけを使ったシンプル焼きそばを作ろうとしたらニラがなくてそのぶんをネギに変更したり、その日の現場を間違えて入ったが業務をすませてしまったのでどうやってごまかそうかと頭をひねっていたり。


幸か不幸か、いずれも正夢とはならない。
なぜなら、デモンストレーションの仕事は全くないのが現実だから。


いや、派遣会社からの仕事打診はあるにはあるのだ。
品出しの他、倉庫での冷凍食品の仕分けと詰め込みとか、農家と物流センターの中継地みたいなところでキャベツの箱詰めをする業務とか。
残念ながら、これらすべて、慢性腰痛と末端冷え性に苦しむ私には身体的な理由で出来ない。せっかく(仕事を)振ってくれた派遣会社には申し訳ないんだけれど。


これと同じことが、コロナ禍でアルバイトのシフトを削られて経済苦に陥っている大学生や、収入激減で我が子に仕送りをしてやれなくなったその親たちに言えると思う。
無責任な第三者は、口だけは出す。


「仕事を選ばなかったらいいんじゃないの? 実際、スーパーや介護や警備は人手不足で困っているんだし、そういう職場で働いたら?」
「うちの子の同級生が居酒屋のバイトがなくなったと嘆いているのでうちの子が倉庫のバイトを紹介してあげたら、キツいから嫌だって。こんな時期になっても力仕事はごめんだなんて、ぜいたくだよね」
「そもそもバイトをしないと大学生活がなりたたない環境にいる者が私立に進学したり、生活費がかかる都会に下宿したりするところからしておかしい」
「大学は義務教育じゃないんだから、困窮した時には、国のお金を使ってまで助けなくてよい」
云々。


おやおや、何という傍観者的、かつ評論家的発言。
まず、仕事を選ぶなとおっしゃるが、選ぶ選ばないの前に、出来る仕事と出来ない仕事がある。
倉庫の仕事は体育会系の体力がいるし、スーパーの品出しもしかり。
警備も立ち仕事の上、警備する場所によっては仕事場が屋外であることもあり、やはり体力勝負(真夏や真冬は立っているだけでもものすごく疲れる)。
介護にいたっては、専門職で、時に命にまでかかわる業務内容。単発アルバイトでカバー出来るレベルではないはずだ。


プラス、豊かでない者は私立や都会の大学に進学してはいけないの?
そりゃ学費の安い地元の国立大学に行くことが出来たらベストかも知れないが、そうはいかないこともあるのが人生。
そもそも、自分の学びたい専攻が都会の私立大学にしか設置されていなかったら?


まして、「義務教育じゃないんだから困った時に国は助けなくてもよい」なんて、あなた、最近ハヤリの「すべては自己責任」の論法につながりますよ。


大学生も含む若人は、これからの日本を創り、未来を担っていく存在。そのことを考慮すれば、大学自体は義務教育でなくても、コロナ禍で貧窮し学業困難に苦しむ状況を救済するのは、国の義務だと思うけれど?


写真は、1番上の孫。
彼の夢は大きくなったら消防士かコックになること。
どちらも大卒が必須条件ではないから、大学まで行くかどうかはわからない。