過疎地ほどタクシーが来てくれない理由

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滋賀県近江鉄道沿線沿いにあるまち、豊郷を、19年前に仕事で訪れたことは述べた。

 


私の記憶が正しければ、その時の店舗はユ◯ストア(現在のド△キホーテ)。今回同様、駅と店の間にはかなりの距離があり、17分か18分歩いたと記憶しているが、これまた今回同様、「行き」には全く人に会わなかった。

初めて来た地なのに1度も迷わず店に着けたのは、当時の豊郷駅が有人駅だったことによる。すなわち、駅員が現在のスマホのナビゲーターアプリの役割を果たしてくれたのだ。

 


歩いていて人に会わないということは、単純にそこの人口が少ないことを示している。

さらに高齢化をも。

 


こんなところで暮らすには、当たり前ながら自家用車必須。ところが悲しいかな、運転が出来ない人もいるし、出来ても年をとると難しくなってくる。

公共機関たるバスがあっても、人口密度ぶんだけの本数しか走らず、運行経路から外れる地域も出てくる。

 


となると、あとはタクシーしかなく、事実、地方のタクシー会社の中には、時刻やルートを固定化した、バスの小型版ともとれるタクシーを走らせているところもある。

豊郷を含む地帯もその1つだ。

 


ははーん。わかったよ、4日に豊郷駅からの予約を打診したタクシー会社の

「午前8時から10時まではすごく混むので、予約時間通りに行けるとは限らない」

との、事実上の断り文句の真意が。

 


このおおもとに、観光者優先やら運転手不足やらの諸々の事情が加わった結果が、

「過疎地ほどタクシーを呼んでも来てくれない」

理由だろう。

 


過疎地問題は一段と深刻になっており、その一端が、タクシー状況に反映されている。

 


写真は、実は過疎地の我が故郷を走る、バス代行タクシー。

採算の問題から民間バスはとうに撤退し、その後まちが循環バスを走らせたものの数年後に同じ理由でやっていけなくなり、結局は地元のタクシー会社の大いなるボランティア精神に甘え、このタクシーが走ってくれている。

 


豊郷方面も、きっとそうなのだろう。