そう。何年か前の夏、気象観測史上最高気温の四十度を記録したとされる、あの町である。
「日本一暑い町」を擁する岐阜県。
さすがと言うべきか。
岐阜駅に降り立ったとたん、粘っこい熱風が顔面をなで、全身を締め付けてきた。
それも、こちらの歩行と呼応し、じわりじわり、じわじわといった感じ。
暑さで知られる京都のそれより、もっと強烈だった。
同じ車両から降り立った白人のお兄さん(おじさん? 三十代前半)も、ホームを五、六歩すすんだだけ
で、ハンカチを取り出し、額や首筋をふいていた。
岐阜県は暑い。蒸し暑い。
海も湖もない県ということと関係しているかも知れない。
岐阜市から、高山行きの電車に乗り換え。おもちゃの電車のように可愛らしい形のワンマンカーだ。
ガタゴト。ガタゴト。田園地帯を走って行く。
ガタゴト。ガタゴト。コトコトコト。
このユラユラ感。実にグッド。
大阪に住んでいた頃、たびたび利用したチンチン電車を思い出した。
さて、二回目の洗濯が終了。
干してこよう。
続く。