休日も忙しいのは

休みの日も出かねなければならない日が続いている。
「どうして予定をいれるのか?」
 と問われるかも知れないけれど、会う時に会っておかねば次はいつ会えるかわからない人というのは
確かにいるし、その時に参加しておかないと恐らくは永久に参加しないであろう催しなどというのも、
間違いなくある。
 
 それにしても、仕事が忙しい時に限って私生活のこういう事柄も忙しいのは、どうしてかしら?

 今日は出かけ、明日は本当に休もう。

 二ユーウェイブの流れを組むとされるロックバンド、トーキング・ヘッズが縁で親子ほど年の離れた男の子とメール交換をしていたことがある。十ヶ月くらい。もう十年以上も前の話だ(あのバンドが大好きなんて人と巡り合うことはほとんどないからね。年齢も性別も関係なく、メールで楽しくお話していた)。
 ある時、彼がメールでぼやいた。
 何でも、彼がごひいきとする布袋寅泰のコンサートがある日、終業時間を終え帰り支度をしていた彼
に社長が声をかけてきた。
「急ぎの仕事が入ってきた。明日の朝までにクライアントに提出しなければならない。残業してやって
くれないか」
 彼が
「今夜は布袋のコンサートがあるんです。前から言っていたじゃないですか。いつもなら残業するけれ
ど、今回は見逃して下さい」
 と断ると、社長は烈火のごとく怒り
「お前は仕事よりコンサートの方が大事なんか! 仕事をなめるのもいい加減にしろ! そんなヤツはうちの社にはいらん」
 と、彼をクビにしてしまったそうな。

 これは、社長の方がおかしい。
 当り前だよ。何ヶ月も布袋のコンサートに行くことを励みに仕事にも精出してきたのだ。それを直前
になって、行くななんて!
 私なら、こんな器量の狭い社長のもとで働きたくない。どうせクライアントの顔色ばかりうかがって
社員を締め上げるショぼいオッサンに決まっている。
「そんなスケールの小さい社長、あなたの方から切りなさい。あなたも同じようなタイプになってしまう。あなたは若いし、普段の仕事はしっかりしているんだから他に職場はあるよ」
 と書き送った。

 ホンマ、仕事ばかりが人生ではない。
 仕事仕事で疲れ果て、休日は寝ているだけと言うのも、わびしいもんだ。
 とすれば、休日も私が何かと忙しいのは、ヨイコトなのだね。
 そう思うようにしよう。