腹立たしい話 その4

(続き)

「私ねえ、おたくの希望には添えませんわ。だから、この店にはもう来ません」
店長にはっきり言った。

「来ないのですから、本音を言いますわね。私、一生懸命に仕事をしているでしょ。声をからして、必死で試食をすすめ、購入に結びつけようとしているでしょ。それでも、不満足な結果になることもある。世の中、そういうこともある。店長、そこまでおっしゃるのなら、おたく、一回、このブランド鶏肉をデモしてみたらどうですか? それにねえ、エラそうに言うが、私かてK生協の組合員ですよ。一歩外に出たらお客さんですよ!」

ま、この店長が売上に圧力をかけるのは、彼のキャラでもあるんだけれど。あまりにハラがたったので何人かの仕事仲間にメールを送ったら、一人から「私も同じようなことを言われたよ」と返ってきた。

ただ彼女は大人。「売り方が下手ですみませんね。新人なもんで」(実際は新人ではない)と、表向きでは深々と頭を下げたらしい。

でも、私は彼女のようには出来ない。これも私のキャラ。
つまり、この店長と私とは、基本的にお互いのキャラが合わないんだよね。若いのならともかく、私はあと数年で還暦を迎える身。平均寿命まで生きたとしても三十年余りの残りの我が人生に、合わない人は入れないでおこうと思う。それなりの覚悟はしているからさ(続く)。