椿姫を聴きながら、スキヤキ考

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 日曜日の14日は、マルヤス都島店で、創味食品の「スキヤキのタレ」のデモ。
 このメーカーの他の商品がそうであるように、このタレも「変に甘ったるくなく、かつお
しの旨味が効いた、まろやかでリッチな風味」=「すごく美味しい」のだけれど
お値段もそれなり、と言ったもの。
 震災後、節約ムードが以前にも増して高まっている今日(こんにち)、正直、売上は厳しいも
のがあった(もっとも、客観的に判断すれば、あんなものか。納品した7ケース42本の完売を
求めるメーカー側の要求が高過ぎるだけで。まあ、ギャラを払うメーカーにしてみればね!)。

 スキヤキは、麺類や焼肉同様、試食がよく出るメニューである。この日も午前と午後二回ず
つ、計四回作った。
「うまいダシやね」
「あっさりしていて、後口がよい」
「上品な口当たり」
 と、味は大好評。
 これで売れてくれれば、商売用のスマイルもホンモノになってい
たのだが……そこは、事情があるよね、皆さん。
「スキヤキのタレくらい、自分とこで作るがな」
 こうおっしゃる方もけっこういたし。

 このスキヤキ。関東と関西では、材料も作り方も味も違う
 不思議なのは、関西では、最初に肉を炒める点。鍋に牛脂を入れ、肉に火が通った時点で、
タレを入れて残りの野菜などを煮込む。結果、出来上がる頃には、肉が縮んで固くなってい
る。
 どんなに美味しい肉を使っても、これじゃあねえ。

 関東では、まず、タレ(わりしたとも呼ばれる)を煮る。その中に、肉と野菜を同時に入れる
のだ。
 味つけも、関西人の味覚からすれば、濃い。

 この差は、いつ、どんなところから生じたのだろう?

 ベストを尽くし、カチカチになった体と心をほぐすのは、音楽が一番。
 最近は、オペラ「椿姫」(写真。クライバー指揮。バイエルン国立管弦楽団プリマドンナ
はイレアーナ・コトルバス)ばかり聴いている。

 耳を傾けていて、やはり想ってしまった。
 西洋と東洋では、どうしてこうも歌い方が異なるのだろう?
 日本の伝統芸能も、中国の京劇も、明らかに向こうとは一線を画す発声法で歌っている。
 同じ人間なのに、ん? ん? と、感じてしまうのだ。

 違いがあるから、世の中は面白いし、生きることは楽しい。